日本は「小さな島国」という常識が変わる、地図と海の話

世界地図をパッと思い浮かべてみてください。右のほうに、ちょこんと乗っかっている細長い島国。それが日本です。

ユーラシア大陸やアメリカ、オーストラリアと並べると、なんだか頼りないくらい小さく見えませんか。

私自身、ずっとそう思っていました。「日本は資源も土地も少ない、小さな島国」学校でもそう教わってきた気がします。

でも最近、ふと気になって地図の仕組みを調べてみたら、この「小さい」という感覚、実はかなり地図の”クセ”に踊らされていることが分かってきました。今日はその話をシェアしたいと思います。

私たちが見ている地図は、実は「歪んで」いる

普段見ている地図(メルカルト図法)は実は歪んでいる

普段何気なく目にしている世界地図の多くは「メルカトル図法」という描き方で作られています。

これは16世紀に航海用として考案されたもので、方角を正確に表せるという利点がある一方、大きな弱点があります。それは、赤道から離れるほど、面積が実際より大きく描かれてしまうということです。

有名な例だと、グリーンランドです。世界地図で見るとオーストラリア大陸と同じくらい、あるいはそれ以上に大きく見えますが、実際の面積はオーストラリアの4分の1程度しかありません。

日本をグリーンランドに重ねてみると

北極に近いグリーンランドは、メルカトル図法によって実に10倍以上も引き伸ばされて描かれているのです。

そして、これは日本にも当てはまります。日本列島は北緯20度台〜45度あたりに位置していますが、この緯度帯では面積が「1÷cos²(緯度)」という計算式で拡大されます。

東京あたり(北緯35度)だと約1.5倍、北海道あたり(北緯43度)だと約1.9倍も、実際より大きく描かれているのです。

つまり、私たちが「小さい」と感じてきた日本の姿は、すでにメルカトル図法によって”かさ増し”された後の姿だった、ということになります。それでも小さく見えるのだから、正確な縮尺で見たら一体どれだけ小さく見えるのか。そう考えると、逆にちょっと不安になってきますよね。

言葉で説明されてもピンとこない、という方は、ぜひ自分の目で確かめてみてください。「The True Size Of…」というサイトでは、国の形を実際の面積のまま(歪みなし)ドラッグして、地図上の好きな場所に重ねることができます。

試しに日本をヨーロッパやアフリカの上に重ねてみると、「え、こんなに大きかったの」と声が出るはずです。

中国やインドをアフリカ大陸に重ねてみるのもおすすめで、あの広大なアフリカの中に、中国もインドもすっぽり収まってしまう様子が一目でわかります。

日本って結構大きい

でも、海を含めると話は変わってくる

ここからが今日いちばん伝えたいポイントです。

日本の国土面積は約37万8000平方キロメートルで、世界の国々の中では61位。決して大きい国とは言えません。

ところが、日本は周りをぐるっと海に囲まれた島国です。

そのため、自国の排他的経済水域(EEZ、天然資源を自由に利用できる海域)と領海を合わせると、その面積はなんと約447万平方キロメートル。

日本は世界6位の海洋大国

国土面積の実に12倍にも達し、これは世界で6位の広さになります(算出方法によっては8位とする資料もありますが、いずれにしてもトップ10入りです)。

陸地だけ見れば61位の「小さな国」が、海を含めた瞬間に6位の「海洋大国」に変わる。この落差、なかなか衝撃的だと思いませんか。

考えてみれば当然のことかもしれません。日本列島は南北に細長く、しかも小笠原諸島や南鳥島、沖ノ鳥島といった、本土からはるか離れた島々まで領土として持っています。

その結果、日本が管理する海の範囲は、想像以上に広大なものになっているのです。

しかも、島の数はつい最近「倍」になった

日本は島がたくさんある

もう一つ、意外と知られていない話があります。

長らく「日本の島の数は6,852島」というのが定番の数字でした。1987年に海上保安庁が発表した数字で、学校で習った方も多いはずです。

ところが2023年2月、国土地理院が最新の測量技術で改めて数え直したところ、その数はなんと14,125島。これまでの通説から、一気に倍以上に増えたのです。

もちろん日本の国土が急に増えたわけではありません。人工衛星のデータなど、より精度の高い測量技術によって、これまで見落とされていた小さな島々まで正確に数えられるようになった、ということです。

それでも「実は自分の国のことを、こんなに知らなかったのか」と、ちょっとした衝撃を受けました。

世界の「海の広さ」ランキングで見る日本の位置

日本は純粋な島国としての海洋力でトップクラス

最後にもう一つだけ、面白いデータを紹介させてください。世界の排他的経済水域(EEZ)の広さランキングです。

順位国名EEZ面積(km²)
1フランス約1,169万
2アメリカ約1,135万
3オーストラリア約851万
4ロシア約757万
5イギリス約681万
6インドネシア約616万
7カナダ約560万
8日本約448万
9ニュージーランド約408万
10チリ約368万

このランキング、少し面白いのは、上位の常連であるフランスやイギリスは、自国本土だけでなく世界中に散らばる海外領土(フランス領ポリネシアなど)のおかげで順位を上げているという点です。

それでも日本は、本土と一部の離島だけでこの規模の海域を持っているわけで、純粋な「島国としての海洋力」としてはトップクラスと言えそうです。

国土面積では61位。でも海を含めれば、世界でも指折りの「海洋大国」。この二つの顔を同時に持っているのが、日本という国の面白いところだと思います。

国土は小さく、海は大きい。これが日本の本当の姿

管理人が最近ハマっていること

こういう「地図の歪み」の話を知ってから、私は無性に地球儀が欲しくなりました。

平面の地図は、どうしても引き伸ばしたり、切り取ったりという「妥協」をしないと描けません。でも地球儀なら、その妥協が一切ない。

国と国の本当の大きさの関係、日本という国が地球のどのあたりに、どんな向きで浮かんでいるのか。それを、歪みゼロでそのまま見ることができます。

実際に地球儀をくるくる回してみると、いつも見ている世界地図とは全然違う「本当の日本の位置関係」が見えてきて、ちょっとした感動があります。

北海道が思ったより北極に近いこと、日本とオーストラリアの距離感、太平洋の広さ。平面の地図では気づけなかったことに、次々と気づかされるのです。

子どもの自由研究にも良さそうですし、大人がインテリアとして飾っておくだけでも、ふと目に入るたびに「地球ってこうなってるんだ」と思い出させてくれる、そんな存在になっています。

もし今回の話で少しでも「地球儀、見てみたいかも」と思った方、私が実際に気になっているのは「リプルーグル 地球儀」です。

リプルーグル 地球儀

海の部分が鮮やかな青で塗られた「ブルーオーシャン」デザインで、今回の話の主役でもある”海”がひと目で際立つところが気に入っています。

球径30cmとしっかり存在感があり、山や高原の起伏が指で触ってわかる加工がされているので、平面の地図では絶対に味わえない発見があります。

▼私が気になっている地球儀はこちら
リプルーグル 地球儀 エンデバー型 ブルーオーシャン 日本語版 30573